『未完成の映画』は、明らかにロウ・イエ監督自身が体験した比較的に最近の映画撮影時の出来事をドキュメンタリー風に撮っている。というか、中には実際の映像も挿しはさまれているので、ロウ・イエ監督の顔を知らない私は、実際、半分はドキュメンタリーなのかなと思った。 ロウ・イエ監督作品では『サタデー・フィクション』と『シャドウプレイ』しか知らなかったので、ロウ・イエ監督が突然ジャファール・パナヒ監督みたいなことを始めたぞと思った。 映画のタイトルもパナヒ監督の『これは映画ではない』を想起させるし、映画監督と俳優が主役になる感じも『ある女優の不在』とか『熊は、いない』を思わせる。 しかし、カメラワークがすぐ…