長い航海の果て、宇宙船がその星についたとき、期待した宇宙人に会えなかった。だから大方の関係者や科学者はがっかりした。というのも、その星はこれまで様々な観測がなされ、生命の存在は確定的だった。 原始的なアメーバ等の生育は確認できているし、昆虫に似た生物も多種多様に進化している。 となれば知的な生命がいるに違いないと、科学メンバーや研究者が予想していた。しかし、乗組員を迎えたのは広い荒野や、草原だけだった。 意気消沈して帰り支度を始めた隊員たちだったが、メンバーの一人がこんなことを言い出した。 「どう考えてもおかしい……。 もしかして、宇宙人は人見知りでどこかに隠れているのじゃないかな?」 「そん…