この春学期(前期)はなぜかとっても忙しくて、ブログも放置状態に(汗)。 仕事で必要、という以外の小説を読むまとまった時間がなかなか取れなくてもどかしい状態ではありましたが(「物語」養分欠乏症)、夜寝る前に少しずつ読み進めていたのが深沢潮『李の花は散っても』(朝日新聞出版、2023年)でした。ようやく読了。よかったー。 本作品はふたりの女性——李方子とマサ——を主人公にすえた歴史小説です。 李方子といえば、旧皇族である梨本宮家に生まれ、昭和天皇のお后候補とも言われた方ですが、14歳の夏に、自分と李王朝最後の皇太子である李垠との婚約報道の記事を目にし、初めて自分が李家に嫁ぐことを知った、という。婚…