新文芸坐の《魅惑のクールビューティ 追悼 江波杏子》で映画『女秘密調査員 唇の賭けろ』(1970年、監督: 村山三男)を鑑賞。大映「黒シリーズ」の系譜に連なる大映得意の産業スパイ映画だが、さすがにこの時期の作品になると、いろいろしょぼくて大映末期の哀愁が漂う。「女賭博師シリーズ」で知られる江波のモダンな装いも見たいというファンの要望に応えるかのような大映時代の二本立て。どちらも典型的なプログラムピクチャーでこのような追悼企画でなければ上映される機会のないような作品だろうが、どちらも退色していたのは惜しい。江波はテレビ輸出をめぐりライバル会社の動向をさぐるように依頼された調査グループの一員。盗聴…