野口剛夫氏が急逝されてもう4ヶ月が過ぎた。 彼の死がクラシック音楽界に何か危機感を与えたかというと、正直そんな影響はないかもしれない。 彼と最初にメールでやり取りを始めた時、ご自身が自分は白眼視されていると書かれた。 あの頃、野口氏のされている事は個人的な研究団体の立ち上げとそれに伴う彼自身のオーケストラの創設、そしてまだ彼が音楽大学で講師をされていたのを利用されての学内講演会を主宰されていた。 これは確かに側から見れば狂気に近い行動力だと思う。だがそれをやり遂げられる熱意と気力を野口さんはお持ちだった。ひょんなことからそんな彼とメールのやり取りをするようになると、随所に「野口剛夫の音楽観」の…