「火は罪をきよめ/罪そのものとなり/火は恐怖であり/希望であり」-。詩人、谷川俊太郎さんの「三つのイメージ」は火は人類にとって良い面と悪い面があることを強調する ▼火は闇を照らす。長い冬、人々を暖める。「平和へのたいまつ」にもなる。一方で火は「戦いへののろし」になる。「あらゆる国々で城を焼き/聖者と泥棒を火あぶりに」もする ▼その詩は水についても語る。「水はのろいであり/めぐみであり」。水は人をうるおす。せせらぎの歌を聞かせ、水車を回す。が、時に顔を変え「水は岸を破り家々を押し流し」 ▼東日本大震災の「3・11」となった。あの日、「希望」ではなく、「恐怖」の方の火と水を日本は見た。家々を焼く炎…