2025年6月4日(水) きょうの潮流 同じ時代を生きた劇作家の寺山修司は、かつてその選手の引退にあたり、こんな賛歌を送りました。「思えば長嶋茂雄は、百万人の焼土の野球少年の描いた夢の実現した姿だったのだ」 ▼戦争中は敵性スポーツとして迫害されながら、戦後の焼け跡で瞬く間に広がった野球。それを国民的な人気スポーツに押し上げた立役者でした。ここぞという時に発揮する無類の勝負強さ。打って守って走って、すべてのプレーが躍動する選手でした ▼ミスタープロ野球と呼ばれた長嶋茂雄さんが亡くなりました。グラウンドは「自己表現の場」だとして、三振しても豪快なスイングでヘルメットを飛ばしファンを沸かせました。つ…