1897年(明30)3月~8月 雑誌「人情世界」連載。松林右圓(しょうりん・うえん、1854-1919)は泥棒伯圓と称された二代目松林伯圓の弟子で、1901年に伯圓を襲名して三代目となった。この講演速記物の連載時はその直前の時期にあたる。右圓の速記本は極めて少ない。 この講談も新作物で、明治中期の東京での首無し殺人事件や誘拐監禁事件に端を発し、日清戦争の勃発による朝鮮への出征に至るまで様々な事象に振り回される人物たちの姿を描いている。やや風呂敷を広げ過ぎてまとまらない感じがするが、語り口は丁寧である。☆ 国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。 https://dl.ndl…