モネと写真のつながりを知ったのは、松浦先生からだった。 十何年前、ムサビ学生課下の大教室で、先生は全学科生に向けて美学の講義をしていた。仲間内の情報交換でめっぽう面白いのは103だと聞いてから、単位の申請はしないまま木曜日は一号館に通うようになった。 松浦先生の授業はまじに実りがあった。とくにモネとファインダーの話は、写真をやっていた私に刺さり、今もまだ刺さったままだ。 それはモネの連作のことだった。モネは睡蓮を250、積み藁を25以上描いていて、ルーアン大聖堂もだけど、同じ対象を描き続けた。そして、ほとんど同じ構図、あるいは少しだけ右にずれた構図など、風景を前にあたかもカメラのファインダーで…