現代日本を代表する美術家。その活動は絵画、造形建築の広範囲にわたっている。美術批評家、社会文化批評家としても活躍している。 第12回パリ・ビエンナーレ(パリ、1982年)、ユーロパリア89現代日本美術展(ゲント)、第 9回インド・トリエンナーレ(ニューデリー、1997年)などに出品してアーチストとして世界的に知られる。 最近は近自然公園『日回り舞台』(2000年)を発表。著作に『ルネサンスー経験の条件』(筑摩書房)ISBN:4480873279 など多数。
モネと写真のつながりを知ったのは、松浦先生からだった。 十何年前、ムサビ学生課下の大教室で、先生は全学科生に向けて美学の講義をしていた。仲間内の情報交換でめっぽう面白いのは103だと聞いてから、単位の申請はしないまま木曜日は一号館に通うようになった。 松浦先生の授業はまじに実りがあった。とくにモネとファインダーの話は、写真をやっていた私に刺さり、今もまだ刺さったままだ。 それはモネの連作のことだった。モネは睡蓮を250、積み藁を25以上描いていて、ルーアン大聖堂もだけど、同じ対象を描き続けた。そして、ほとんど同じ構図、あるいは少しだけ右にずれた構図など、風景を前にあたかもカメラのファインダーで…
椹木野衣(さわらぎ・のい)編集『日本美術全集 19 戦後~一九九五』小学館ニ○一五年八月三○日初版第一刷発行、副題「拡張する戦後美術」、椹木野衣「はじめに」結び。《 戦後の日本美術像に「正解」などあるべくもないが、本巻に足りない部分が感じられるとしたら、そうした事情も関係しているかもしれない。けれども、そのうえで私は、 現状で考えられる、もっとも真っ当な「戦後の日本美術」を示したつもりである。 》 拡張──拡散(一昨日のブログの再掲)。美術と書いて芸術と書かない。 図版をあらためて通覧。一昨日の会田誠『性と芸術』の引用《 雑多な要素が入り乱れて流れる巨大な濁流 》を思う。 椹木野衣・解説「よみ…
・昨日は早く寝ることができたが、起きるときはやや辛かった。いつも朝起きたときが一番疲れている。 ・そして、夜寝(帰宅〜就寝時間までに寝てしまうこと)をかまし、現在1時半。 ・Mozzyを聴きながらワンピースを読んだ。ドフラミンゴは悪いやつだ。 ・社会のことと芸術のことに詳しくなりたい。ビジネスや人間関係を上手くやれないのはしょうがない。しかし、芸術ってなんですかね?絵画って別に好きじゃないけどおもしろそうだなーと思っている。前も書いたが岡崎乾二郎をいずれ読もうと思っている。 ・美術館に行こう!とならないのがおれの特徴。これも前に書いたが、ゲームをやる前に攻略本を読んじゃうタイプ。美術館行く前に…
・本屋に行こうかと思ったが、金もないしコロナにかかりたくもないので、やめにした。こんな生活になってもう3年も経つ。つまらない日々と思いつつ、でもまあコロナ前から日々退屈していたし、何も変わってないかとも思う。 ・変わったことといえば実家を出たことくらいか。実家を出たのは正解だった。最近は家の中をフルチンで歩いていることもある。家族というのも一つの小さな社会なので、そこを離れて気が楽になった面もある。いまのところ、実家にいない方がたまに会う家族がやさしい。 ・せっかく一人暮らしをしたが、いい感じになった人を家に連れ込むというエロイベントは発生していない。だいたい人といい感じにならないし、新しい出…
「陶芸⇔現代美術の関係性ってどうなってんだろう?現代美術の系譜に陶芸の文脈も入れ込んで」。2017.8.3~30。カイカイキキギャラリー。 2017年8月12日。 きれいなギャラリーに行くと気持ちがいいものの、そこだけを目指すと、時間が短く、何をしにきたのだろうか、みたいな気持ちにもなるが、今回は、トークショーもあるので、行った。午後2時半からトークショーの受け付けということで、前もって申し込みをしたし、そして、この日は、最初は余裕を持って行けるはずだったのが、妻に大事な用事が入ったため、義母がデイサービスから帰ってくるまでは、絶対に帰らなくてはいけないから、トークショーもおそらくは途中で出る…
特にこれといって「やること」といえば、朝と昼と夜に弁当を1階まで取りに行くことと、朝と夕方の体調報告のみだ。それ以外は本を読んだり、映画を見たりに費やしている。今日は今週の日曜と月曜に開催されることばの学校の展示に向けて、何を出展するのか決めたり午前中はそれで埋まり、午後は町屋良平の『1R1分34秒』を読み終えたりした。 午前中、chim↑pomの森美術館で開催されていたトークの映像を見ていたりした。トランプの話をしていたりしていて、そこで今となってはあまり聞かない現象の様に聞こえたりしている。そんな中、コロナで療養期間の間に何をしようか考えあぐねていた。谷口ジローの夏目漱石についての漫画を思…
FACE展 2019。2019.2.23~3.30。損保ジャパン日本興亜美術館。 2019年3月30日。 招待券が来たこともあったし、妻と一緒に出かける。 損保ジャパンのビルの隣が工事中で、ここに本当に美術館を建設していることを知り、それでもちょっとうれしくもなった。静かなビルに入って、無料でコインも必要がないロッカーを使ってエレベーターに乗って、着いた。 優秀賞の奥田文子の作品を見て、すぐに別の作家を思い出す。丸山直文。樹々のこもれびを表現した描き方が、そっくりだった。パクリと言われてもしかたがないのではないか。そして、他の作品にも、3点ほど、岡崎乾二郎の抽象画みたいにみえた。気にし過ぎかも…
「Each Artist, Each Moment 1997」。1997.2.24~3.22。ギャラリーGAN。 1997年3月14日。 7人の作家の作品が並ぶ。 岡崎乾二郎。越前谷嘉高。加藤学。児玉靖枝。舟越直木。中沢研。藤澤江里子。 今回のキュレーター 峯村敏明の言葉がリーフレットにあった。(その一部)。 「今回はこの七作家のそれぞれの今が花であろうという結論に達した。 岡崎、児玉、中沢がフォーマリズムの独自の肉化を代表しているとすれば、舟越、越前谷、加藤には芸術の古層を参照する新しい姿勢、藤澤にはその両方を束ねた未分化の魅力があると言えようか。だが、彼らから何を汲み取り、何を引き出すかは…
本日もジョギング。いつもより早めの時間に走る。身体は普通の感じだが、用があるので多少短めに。 昨日はちょっと外に出ただけで熱中症になりそうな感じだったが、朝だとまだ涼しいとは言わないまでも思ったより暑くない。しかし、ミミズや魚の死骸が多く、昨日の暑さを物語っているような。まあ、時間が早いので魚はもしかしたら普段は誰かが掃除してた可能性もなくはないけど。 用というのはリヒター展を予約して見てきた。 richter.exhibit.jp 割と遠いし。予約に時間合わせるの苦手なんだよなーと思ったらギリギリセーフのようなアウトのような時間になったが、一応、待たずに入れて一安心。大手町から歩いたので暑さ…
なにかと天気が晴れ時々曇りであったり、曇り時々雨だったりする。このいったりきたりの気温と湿度でまいってしまった。 早稲田大学のハラスメントを起こした教授の現状とどうしてそうなったのか、といった文章を読むことができるページがあり、それを読んで「俺の女」というページが気がかりになった。どうやらその教授に対して告発した「女」が離婚後、大学院を受けてそこから作詩の勉強をしていくという話。とても文章が上手い。小説みたいに読んでしまう。 知り合いの同棲を別れた「男」が結婚前提にお付き合いをしていた事に対する不満があるらしい。けれども、もともと男/女の価値基準であったり、なんであんたの元にいなけりゃいかない…
ある夢をみた。 その夢はカウンターで黒い服を着たどこかで見覚えのある美術批評、キュレーションをした人がいて、僕に話かけてくる。 hanbara君は美術に関心あるの、どんなのに関心あるの、と僕に聞いてくる。 けれども、マスターや隣に座っている人が、この人はハラスメントしたから会話したらいいことないよ、と僕に話してきて、その返しに僕は、もう、承知しております、と返して夢から覚めた。 午前3時、スマホをみて、また寝た。 あれから、友人に、お前と話すと不幸になる、と言われ。そうか、不幸なんだなと不幸な場面を色々、思い返したりしていた。そのとき、母親との関係が不幸像をまやかしとして作り出しているのかもし…
昨晩、絵描きの友達と抽象画の話になり、造形作家、岡崎乾二郎の話になったりした。美術手帖のイノセント特集で椹木野衣、村上隆、浅田彰とのトークイベントが掲載されており、それについて話したりした。村上さん曰く、まったく噛み合わなかったらしい。その噛み合わなさについて僕はよく知らなかった。 僕は岡崎さんの作品については、会田誠の「美術に限っていえば、浅田彰は下らないものを誉めそやし、大切なものを貶め、日本の美術界をさんざん停滞させた責任を、いつ、どのようなかたちでとるのだろうか。」(2007)が印象に残っている。これについてあまりどういう意味なのか話たりした。どうやらこの作品を会田さんが発表したとき、…
岡崎乾二郎『抽象の力:近代芸術の解析』亜紀書房(2018年) エリック・カンデル『脳はなぜアートがわかるのか:現代美術史から学ぶ脳科学入門』青土社(2019年)を読む。 『抽象の力』によれば、日本においても発生したキュビスムは、単に西洋を模倣したのではなく、なかば必然的に発生したのだそうだ。つまり同時発生的に日本いおいてもキュビスムが確認された。 本書によれば、日本にもキュビスムが生まれる土台は整っていたとされる。 『脳はなぜアートがわかるのか』においては、脳のボトムアップ処理とトップダウン処理が視覚システムとして説明できるとされる。 低次と中間の情報は先天的なもので、魔術的に視野を作り出す。…
朝日新聞1面「天性チンコ」の下手さをカバーするために、哲学者の鷲田清一氏が「折々のことば」という《古来の金言からツイッターまで、ことばからめぐらせた思索をつづる毎朝のコラム》を「チンコ」の左上に連載している。これはなかなかおもしろい。 今回は造形作家の岡崎乾二郎氏のこの言葉だ。 https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=76 《そのつどの感覚に忠実に、事の後先を忘れて集中するというのが「子供」の特徴ですね。》 これがワシャの琴線に触れた。解説を読めば、この言葉が、天才漫画家の楳図かずおさんとの対談で出てきたものというから、さもありなん。 楳図さん、言わ…
紫野大徳寺の塔頭高桐院は細川忠興(ただおき)三斎が父藤孝幽斎の菩提寺として建てたもので、忠興の歯を埋めた墓には正室だったガラシャも祀っている。この同じ墓所に興津(おきつ)弥五右衛門という男の墓がある。京都町奉行与力神沢杜口(とこう)が書き残した『翁草(おきなぐさ)』によれば、興津弥五右衛門は三斎の三回忌に殉死したことになっている。が、森鷗外は、短篇「興津弥五右衛門の遺書」の書き足しに「翁草に興津が殉死したのは三斎の三回忌だとしてある。しかし同時にそれを万治寛政の頃としてあるのを見れば、これは何かの誤でなくてはならない。三斎の歿年から推(お)せば、三回忌は應安元年になるからである。そこで改めて万…