星野智幸著「ひとでなし」を読んだ。北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、神戸新聞に、2022年8月~2024年7月まで連載していたもの。連載していたことは知らず、書店の平積みで帯のコピー、目次、初めの1ページと読んだら主人公の人生が気になり、すぐに購入を決めた。あの時の冴えた自分に感謝したい。 ひとでなし (文春e-book) 作者:星野 智幸 文藝春秋 Amazon 多かれ少なかれ、生きていくことはいろんな可能性の死だ。死んだ成分は新陳代謝のように剥がれ落ちていって、それでも何事もなかったかのように生きていかねばならないとぼんやり思っていた。 この物語は、そんなありえた可能性に「生」を…