初読み作家の柞刈 湯葉(いすかり ゆば)さんの近未来小説。のんびりした雰囲気でところどころクスリと笑えるところもあり、楽しめた。また、労働とは何かについて考えさせられた。 ※以下、内容に触れるので未読の方はご注意ください。 未来職安 (双葉文庫) 作者:柞刈湯葉 双葉社 Amazon ほぼ全ての労働が機械化された近未来、人口の99%は働く必要のない「消費者」となっていた。主人公の目黒奈津は、そんな状況下で「職安」で働く二十代女性。生活基本金により暮らしが保証される中、職安にやってくる人に切羽詰まった様子はなく、また紹介される仕事も必要性の薄いものばかりであった。 本書が描く近未来について、どの…