『李王家の縁談』というタイトルですが… 最後の貴婦人・梨本宮伊都子の生き様を読まされた感がありました。 あとがきに、小田部雄二著『梨本宮伊都子妃の日記』がなければ書けなかった、と林真理子さんの弁。 「李王家との縁談を積極的に進めたのは梨本宮伊都子妃だったのではないか」というヒントをもらって書かれたようです。 「史実」という骨格に、林真理子さんならではのストーリー運びで肉付けされた本書は、見てきたかの如く、当時の貴族、皇族の暮らしを詳細に描かれていて、興味深く、あっという間に読めてしまいました。 本の表紙を飾る写真は、本書の登場人物、中央に梨本宮伊都子、右上・梨本宮方子、右手前・李垠、左の婚礼写…