幼き頃、スーパーへの買い物についていくのが楽しみの一つでした。 お菓子を買ってもらうのが目的ではありません。 まあ、お菓子も買ってもらいましたが、それは本来の目的のオプションに過ぎませんでした。 真の狙いは別にあったのです。 今の時代では考えられない話ですが、レジを担当されているご婦人が本を下さったのです。恐らく息子さんが読まなくなった本だったのだろうと思いますが、レジの横に古本が用意してあり、僕の顔を見ると精算後に必ずその本を下さいました。 その時まだ小学校にも行っていなかったので文字は読めませんでしたが、それを読む為に親に懇願して兄が持っていた「五十音表」を自分用に作ってもらい、勉強して読…