副題は「フランス革命を問い直す」です。文庫として出たのは今年の5月ですが、元の版は1990年代半ばに出ていて、当時、本屋で目にした記憶はあります。ひょっとしたら、手に取って眺めていたかもしれませんが、副題から「歴史修正主義(右派的な歴史の書き換え)」の偏見が先走って、そのままになっていました。でも、『フランス革命下の一市民の日記』(中央公論社)を読んで恐怖政治下のパリの様子を知り、その頃から、フランス革命の理念と現実に起こった大虐殺に相容れない矛盾を感じていたので、当時読んでいたとしても、それなりに共感はできたように思います。 この戦争の舞台になったヴァンデ地方は、ブルターニュ半島の南東、パリ…