鎌倉時代の13世紀、 後嵯峨天皇がまだ東宮の頃、 6月16日に、 宋の「嘉定通宝」十六文で供物を揃えて 神前に献じられました。 これを吉例とし、皇位継承後も続けられました。 「嘉定通宝」(かじょうつうほう)は、 南宋の嘉定年間(1208-1224)に鋳造発行された 銭貨です。 日本にも大量に移入され、江戸時代初期まで 流通したようです。 「嘉定通宝」の「嘉(か)」「通(つ)」が 「勝つ」に通じることから、 とりわけ武士達の間で好まれた渡来銭でした。 室町時代になると、宮中行事であった 「嘉祥の儀」が武家にも拡がります。 『増補俳諧歳時記栞草』(1851)によると、 柳で出来た小さな弓で的を射る…