鳳至郡誌より 五十洲と皆月が登場する物語。他の物語にも共通項があるんですが、昔に遭難船を略奪した事件があったのかもしれません。______________神様に見すてられた村人 皆月から一里たらず行くと、山中に樽見という所があります。昔はもっと下の磯辺近くに村人が居をかまえておりました。その頃のある日、大きなはがせ船が、沖合でひどい嵐にあったので、村人に助けを求めました。 ところが、そこの村人といったら、そろいもそろって、みんな人情知らずでした。助けてやるどころか、村の土を一歩もふませず、あげくのはては、弱りきっている船人をうち殺してしまいました。そして、そのうえに、船に積んである荷物をひとつ…