最近のクマ被害に『筆洗251025』は思う▼キツネ、タヌキ、サル、ウサギ、カメ、ツル…。民話によく出てくるが、秋田県など東北地方の民話を調べると、ほとんど登場しない動物、クマ。『ものと人間の文化史 熊』(赤羽正春)▼マタギらはクマを、人の力ではどうにもならない大自然の象徴としてあがめた。畏怖するゆえ、おおっぴらに語ること自体が失礼と考えたのではないかと赤羽さんは推測▼人口減少により、里山では耕作放棄地も増えた。人間の活動量低下がクマの生息域拡大を招いたとも聞く▼マタギはクマを捕らえると、そうするのが礼儀だと肉などは残さず食べ、血も飲んだと。相手は畏怖すべき生物、人間には制御できない大自然の象徴…