4月を迎えぐんぐんと暖かさが増し、襟を立てて歩いたコートも今はクリーニングの待機列に。 テレビでは連日桜の開花状況が流れ、花見を楽しむ人たちの様子が映し出されます。 春と言えば桜、桜と言えば春。 桜と言えば、なぜ桜は薄桃色なのでしょう。 なぜ人は桜に魅せられるのでしょう。 そんなことを考えるとき、いつも思い浮かぶのが安野光雅の自然についての言葉です。 山の奥も、道のはしっこも、人間が意識しないどんな小さな部分にも自然は息づいていて、目をみはるようは世界をくりひろげています。野の花によけいなおせっかいをしちゃいけない。どんなに偉くても、人間が自然の花をつくることはできません。田んぼや畑に赤い絵の…