最終日には桂離宮を訪れる(事前申し込み必要)。型通りの手続きを終え、ガイドに続く。中に一歩入ると、庭を巡るまでもなくその気配に一驚する。それは作庭の粋というより、手入れの深さだろう。植物や建物は言うまでもなく、踏み石の一つ一つにまで気配りが感じられるのだ。 庭は複雑な形状の池を風景の中心とした回遊式で、中島や築山で自然を模し、数寄屋風の書院と茶室、灯篭や手水鉢を配し、その周囲には盆栽のように手入れされた樹木や苔が置かれている。回遊中に展開する景色は、寺社仏閣や大名屋敷の庭園とは違う、どこか雅を感じさせるものだ。 元はと言えば、後陽成天皇の弟・八条宮(智仁親王)が設けた別荘だ。後に加賀前田家の援…