昔、映画館で観た『サンダカン八番娼館 望郷』 Sandakan hachibanshokan bohkyo 当時、自分の身体の内側からしきりに湧いてくるようになっていた欲望(性欲に象徴される、ひたすら生きんとする盲目の意志)に漠然とした不安ともの恐ろしさを感じていた。 そんな時期に、たまたまこの映画を観たことは、その盲目の意志の忌まわしいむき出しを認識する貴重な疑似体験だったのだと、だいぶ後になって気づいた。 もっとも、その貪瞋痴の強欲は、ちょっと認識したくらいでどうにかできるほど都合のよい相手じゃないことを、その後幾度となくイヤッちゅーほど思い知らされることになるのだが…… (My Favo…