京都八坂神社の主祭神は明治の神仏分離令以後は素戔嗚尊、それ以前は牛頭天王と習合されていた。牛頭天王は疫病を司る神で、蘇民将来の説話がある。 しかし、牛頭天王以前は武塔(ぶとう)天神の名でも祀られていたという。 上記の三神は、一般には同一神として認知されているが、この武塔天神・牛頭天王・素戔嗚尊の関係はややこしい。 まず武塔天神は、中国の神話にある西王母と東王父の子で、弟の巨旦(こたん)大王とは兄弟であったという。 そこで、そうだとすれば、その兄弟の居所は母・西王母の伝説地の近くにあったのではないだろうか。そんな想像をたくましくしてみた。 西王母は秦や漢の時代には広く信仰されていた伝説の神女で、…