読後感は、早く明るい場所に出たかった、が本音 正直言って、こんなに早く、この本の順番が自分に回って来るとは思わなかった。いうまでもなく、図書館で借りる本のことなのだが、確か半年前までは予約数は百幾つで、気が遠くなった。冗談じゃない、こんないつになるかもわからないのに、”果報は寝て待て”と言わんばかりにサイトにある「予約する」のアイコンをクリックする気にはならなかった。この『しろがねの葉』で直木賞を受賞した千早さんの著書はたちまち脚光を浴びた。当時は近づくことはおろか、ましてやこの本が手元に来るだなんてことは夢にも思わなかった。だが、試しに今までの芥川賞や直木賞の作品を検索してみると、ほとぼりが…