塩田武士の『歪んだ波紋』を読んだ。2018年に講談社より刊行された連作短編集で、第40回吉川英治文学新人賞を受賞した社会派小説だ。新聞記者を主人公に誤報にまつわる「黒い依頼」、「共犯者」、「ゼロの影」、「Dの微笑」、「歪んだ波紋」の5編が収録されている。11月よりテレビドラマが始まるのを知り、図書館に予約しようやく読むことができた。塩田武士氏の小説は6月に読んだ「グリコ・森永事件」をモチーフにした『罪の声』に続き2冊目だ。以下の概要はAmazonより: 記者は一度は未知の扉を開けるものだ。「黒い依頼」――誤報と虚報 「共犯者」――誤報と時効 「ゼロの影」――誤報と沈黙 「Dの微笑」――誤報と娯…