童話『二十六夜』はガチガチの宗教的な読み物のように見えるが,童話『やまなし』や寓話『シグナルとシグナレス』で見られるような悲恋物語も入れてある。すなわち,童話『二十六夜』は梟(ふくろう)の子である穂吉と人間の子の悲恋物語である。穂吉は3人兄弟の1人として紹介されている。性別は明かされていないが女性がイメージされていると思われる。3人の中では一番小さく,他の兄弟からは穂吉ちゃん,他の梟たちからは穂吉さんと呼ばれている。他の兄弟は騒がしく親に反抗的だが,穂吉はおとなしく従順であり,他の梟から賢い子と思われている。穂吉の読み方が童話には記載されていない。ほとんどの漢字にルビがふってあるので不思議であ…