『殺人者たちの午後』/トニー・パーカー/沢木耕太郎 訳/飛鳥新社/2009年刊 『死刑』/森達也/角川文庫/2013年刊 一度読んだだけでは消化不良で、そのうちまた読もうと思ったものの、棚に挿したまま長いこと開かなかった本がたくさんある。たとえば『殺人者たちの午後』。原題は”Life after Life”、終身刑のことを英語では”life ”と表すらしい。死刑制度が廃止されて久しいイギリスでは殺人に対しては終身の禁固刑しか存在しない、つまりこの本は、人を殺して終身刑を下された受刑者十名へのインタビュー集。一読して処分できなかったのも、その後十年以上頁を開かなかったのも、理由は同じで、読めば何…