1947年、東京に生まれる。ノンフィクションライター。デビュー作は自衛隊に勤めるひとびとを取材した「防人のブルース」。従来の講談的な文体を排したドライな文体が、おもに若い読者の支持を集める。とりわけユーラシア大陸を放浪した旅行記『深夜特急』は、いまでも多くのバックパッカーに影響を与え続けている。さまざまなジャンルの作品を手掛けているが、寄せ集め的なコラム集を除けば、スポーツ関係の著作が目立つ。さらに最近では、小説的な手法を取り入れようとしている。 amazon:沢木耕太郎
20240922(メモ) 沢木耕太郎/『暦のしずく』 歴史小説/朝日新聞「be」(掲載;2022.10.1~2024.8.31) <★★★★> 朝日新聞の土曜別刷り「be」に約2年にわたり掲載された。 江戸中期の講釈師、馬場文耕を主人公とした時代小説です。 仕事場に行くときに持って出る古い肩掛け鞄に抛りこんでどんどん溜まって しまっている新聞の切り抜きの束(未読分)の中に、連載を終えた沢木氏が、 この小説を書くきっかけになったことをしたためた記事がありまして、ふと 気付いて読み、即、感想文書くのを完全に失念していたことを思い出しまし た。 しもたぁー、ですわ。 様々なわけあって武士をやめ、江戸…
陶酔と覚醒〈沢木耕太郎セッションズ〈訊いて,聴く〉〉 (沢木耕太郎セッションズ〈訊いて、聴く〉) 作者:沢木 耕太郎 岩波書店 Amazon 沢木耕太郎のノンフィクションは好きでかなり読んだ 私世代にはファン多いんじゃないでしょうか 逆に小説を書くようになってからはすっかりご無沙汰ですが 対談集 古いものが多い 岡田武史 山野井泰史 妙子とのあたりが興味深い
甲辰年八月廿九日。中共国慶節。気温摂氏17.5/27.3度。曇。 中共の习近平による〈安定〉はいつたいいつまで続くのかしら。 夕方、出先の更衣室の窓から一瞬まるでSaul Leiterのやうな夕焼けに出会つた。 沢木耕太郎『テロルの決算』読む。昭和35年に日本社会党の浅沼稲二郎が山口二矢おとや(17)によつて暗殺された歴史的事件。沢木耕太郎の、このドキュメンタリーが傑作とされたのは一つは山口二矢だけではなく浅沼稲二郎の苦悩もまたテーマにした点であつて、もう一つはこのタイトル(テロルの決算)からすると二矢のこの単独テロがまるでテロ行為の決算のやうだが(さうではなくて)若干17歳の二矢の行為が誰か…
10代の終わりから20代前半ぐらいの、一番元気で、輝かしい頃の記憶を呼び戻す歌や映画、そして本は、誰しも一つや二つあるはずです。それを口にすると、おおよその年齢が想像できますし、共感した時は同世代として、話題が盛りあがったりするものですね。 私の大学生時代には、青春の通過点としてなくてはならない本がありました。 少なくとも、私の周りには、大なり小なり影響を受けた人間が少なくありません。 まさに、青春の一冊といってもいいでしょう。 沢木耕太郎の『深夜特急』(新潮文庫)全6巻。若きルポライターのユーラシア放浪記です。 ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ…
朝日新聞beで連載していた沢木耕太郎『暦のしずく』が終了しました。 91回だから、2年近く連載していたことになります。 死罪となった講釈師・馬場文耕について描いた作品。 最初は講談など話芸の歴史について語られ、次に馬場文耕の剣の修行時代について語られて、 登場人物も多彩で色々な事件が起こり、バラエティに富んで楽しい連載でした。 一時期、朝刊で連載されていた今村翔吾さんの『人よ、花よ、』と掲載時期が重なっていました。 どちらも時代劇でしたが、共に緊張感あふれる展開でどちらも楽しみでした 『人よ、花よ、』と共通するのは、共に多くを語らない・皆まで語らないやり取りです。 登場人物の阿吽の呼吸といいま…
将棋ウォーズで一時は80%を超えた初段達成率が60%を切りそうだ。2024年8月23日時点で、7298勝9289敗(.439)で初段達成率61.1%となってしまった。 とはいっても、少し前までは20%前後で低空飛行していたのを思えば、まだまだ行ける。来週は台風10号が日本列島を直撃するらしいが、退職した身としては晴耕雨読、嵐の日でも定跡書を読みながら過ごしたい。 将棋ウォーズ、まだスランプというほどではないが、満を持して二段に昇段したいものだ。 沢木 (略)ある朝、部活の練習なのかな、高校生の3人組がジョギングしながら僕を追い抜いて行ったんですが、そのとき彼らが「スランプってさ、次の成長のため…
あらすじ: 『天路の旅人』は、沢木耕太郎が訪れたさまざまな場所とそこでの出来事を記録したエッセイ集です。沢木はその独自の視点で、旅行中に出会った人々、風景、そして彼自身の内面的な変化について描写しています。彼の旅は単なる観光ではなく、自己発見や人生の意味を探るための探求でもあります。 本書では、彼が旅先で体験した出来事や出会った人々との交流を通じて、世界や自分自身に対する理解を深めていく様子が描かれています。彼の文章は、風景や人々の描写に生き生きとしており、読者はまるで一緒に旅しているかのような感覚を味わうことができます。 また、沢木は旅を通じて感じた孤独や、旅先での発見についても率直に語って…
カミさんへ 昔(❜90年代)流行ったよな『深夜特急』。ちょっと思うところがあって、久しぶりに読んでみたくなったから、オレの本をまとめた段ボール箱から引っ張り出してきてくれるかな。もし見当たらなかったら、⇩この電子書籍版をオーダーよろ。 楽天Kobo電子書籍ストア: 深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 - 沢木耕太郎 - 4340008046891 (rakuten.co.jp) ♪ MONKEY MAJIK - Around The World
私は東京に住んでいるが、自分の家から仕事場まで、三、四十分ほど歩いて通っている。その仕事場に着き、窓のカーテンを引き開けるときはいつもスリルを味わう。 ―― 今日は見えるだろうか?(沢木耕太郎『心の窓』幻冬舎、2024) こんばんは。数時間前に2泊3日の移動教室から帰ってきました。2週間くらい前に体調を崩し、しんどさを抱えたまま宿泊の準備(勤務時間内には絶対に終わりません。これも教員が勝手にやっていることとみなされるのでしょうか?)に追われ、通常業務もブログも滞り、ようやくの日常モードです。 ―― 今年は行けるだろうか? www.countryteacher.tokyo 行けました。3年前はコ…
高速バスや電車など、移動中に読むフリーペーパーが好きだ。特に旅と一緒に読んだものは、不思議なほど胸に染み入る。 旅のつばくろ (新潮文庫 さ 7-58) 作者:沢木 耕太郎 新潮社 Amazon 今日紹介する「旅のつばくろ」は、作家の沢木耕太郎が、東北新幹線のフリーペーパー「トランヴェール」でかつて連載していたエッセイを集めた本。 連載時期は初回が不明だが、最終回は2022年3月とある。コロナ前からあったので、4年は連載していたと思う。わたしは連載当時、頻繁に東北新幹線に乗ってはこの情報誌を読んでいたのだった。 読むうち、座席の窓から見えた懐かしい景色が蘇る。少しずつ建物が減っていき、田園風景…
バイトがある日ははっきり言って抽象的な哲学とか美的な絵画とか詩とか受け入れる余裕がない。 そのどれも「労働が嫌だ」というとてつもなく卑近で、そして動かし難いほどリアルなこの感情に寄り添ってはくれないからだ。 そういう時、俺は深夜特急を読むことしかできない。 沢木とともに異国を歩いている間しか気持ちをやわらげられない。 それは逃避だろうが、逃避させてくれるほど強度のある作品というのはそう多くはない。 とは言っても昨日四巻を読み終わったところだが。 深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 作者:沢木耕太郎 新潮社 Amazon 先ほど逃避と言ったが、別に深夜特急は異国へのロマネスクを煽る…
246 (新潮文庫)作者:沢木 耕太郎新潮社Amazonいったいぜんたい、人はどんなふうにぼくのことを見るんだろう。ぼくはどんな人間に見えるのか。たとえばグループホームの管理者・副管理者の方々から見ればぼくは1人の発達障害者の利用者で、彼らのホームを利用させてもらってお金を払っているという位置づけになるだろう(管理者さんからすれば「いや、『あなたのホーム』ですよ」となるかもしれないが)。前任者のジョブコーチ――と書くべきなのだろう――からすればぼくは会社で働く1人の勤め人となる(だが、マジメに働いていると見なしておられるかどうか一抹の不安をも覚える。後にも書くがぼくは聖人君子ではないので頭の中…
10月6日(日)【UNI】 午後からの会議のことを考えていたら、スマホや鍵の入ったミニバッグを置いてきてしまった。確実にいつどこで忘れたかを覚えていたから、駅員さんにすぐ確認したけれど10分ほどのあいだに無くなってしまった。会議を終えてから元町に戻って、交番で遺失物届を出した。JR西日本にも落とし物登録をして、孫シッターから両親が帰ってくる時間まで元町駅前でガザへのキャンドルナイトを見ていた。道行く人たちはチラシを受け取らずとも、なんとなく足をとめたり歩をゆるめたりして眺めていた。どんなときでも、日本でも日本じゃなくても、暴力、殺りくが無い世の中になりますように。夜になって公衆電話から実家へ電…
ミッドナイト・エクスプレス (沢木耕太郎ノンフィクション8)作者:沢木 耕太郎文藝春秋Amazonさいきんになって、ふとスマートフォンをいじっていて見かけたムハンマド・アリの至言について考え直すこと、我が身を振り返ってみることが増えた。ぼくなりにつたなく訳すとこうなる。「ある男が50歳の段階で、20歳のときと同じように世界を見ているならばその男は人生において30年をムダに生きたのと同じだ」。この日記でも書いてきたように、実を言えば来年ぼくは50になるのだけれどぼくは自分自身がそんなアリにならってなにか20のころと比べて変わっただろうか、成長しただろうかとあれこれ考えてみる。いま、ぼくの関心にあ…
土曜日、午前中から動きまわってバタバタしたこともあり、こうなることはある程度覚悟していました。日付が変わったあたりからうとうとしてしまい、いつのまにかグーグー。少し前に起きて、〝ノルマ〟を終えたところです。現在の時刻は日曜日の朝7時前。短めにいきます。 ワタシが購読している朝日新聞土曜日の別刷り、朝刊beの第2面は、沢木耕太郎の連載小説「暦のしずく」が8月で終了し、先月から「be RANKING!!」が復活しています。今日(10/5)のテーマは、「好きな70年代ヒット曲は?」でした。 1970年代後半に中学生だったワタシにとって、とても興味あるテーマです。膨大な数のヒット曲のなかから、果たして…
朝から瀕死のサンデリアーナを植え替える。原因はよくわからないが、下の方の葉は枯れてしまったため環境を改善させるべく容器やハイドロ粒を変えてみることとした。ハイドロ兄弟のキングバンブーのほうはいたって元気である。 ふるさと納税の新潟県産コシヒカリが届く。コメ不足騒動はほぼ収まったようだが、いま食べているコメがなくなりかけてきたためタイミングはよかった。本場のコシヒカリはきっと美味いに違いない。 沢木耕太郎「テロルの決算」読了。この1960年に発生した社会党委員長・浅沼稲次郎刺殺事件のことは恥ずかしながら知らなかった。ノンフィクションの読み物であるが、淡々とした筆致ながら映画のような飽きさせない構…
週末のCofee Breakです。 夜のエディンバラを散策。 北欧のコペンハーゲン(デンマーク)よりも北にあるエディンバラ。 23:00近くになっても、不思議な淡い色の空でした。 ちなみに、夏に白夜が見られるのはエディンバラよりもさらに北、アイスランドあたりからです。 そういえば、沢木耕太郎さんの紀行小説『深夜特急』の最後で、ロンドンに到達した主人公が、次はアイスランドへ行こうかと考えるシーンがありました。 以前も紹介しましたが、そのことについて、沢木さんは次のように書いています。 時折、こんなことを訊ねられることがある。 ロンドンに着いてからどうしたのですか。あるいは、アイスランドには行かな…
なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)作者:三宅香帆集英社Amazon今日は休日だった。いつもながら(部屋にいても行き詰まるだけでなんの実りもないので)イオンに行きそこでロアルド・ダール『マチルダは小さな大天才』の原著の続きを読み進めようかと思った。しかし、なにをどうやっても集中できずのめり込めない。理由はまったく考えつかなかった(もしかしたら金曜日が休みということがめったにないことなので、そんな実にしょうもない理由からかもしれなかった)。あきらめて図書館にぶらりと行ってみて、そこでまた沢木耕太郎のルポルタージュやエッセイ集でも借りるかとあれこれ本棚を見たところ、ベストセラーの三…
自分は3姉妹の長女で、学年2つ下の妹と、学年3つ下の妹がいます。一人は同じ市内で、もう一人は、県境の隣の県に住んでいます。なぜか皆が長男で跡継ぎである夫を持ち、年齢差も私は7つ上、次の妹は8つ上、その下の妹には9つ上の配偶者がいます。皆、そこそこに健在で取りあえずは別れることなく、夫婦のままでいます。一様に二人ずつ子供がいて、そこそこに孫存在があり、子育ての手伝いと介護はそろそろ終盤かなぁの状況です。次はそれぞれ自分たちの面倒なり、後始末を考える…の状況です。 長生きは幸せか…と考えてみても答えなんかないし。時代は思ったより早くに変化し、自分の常識は通用せず、10年後の自分を思い描くことが難し…
]新潮社の夏の文庫フェアの小冊子「新潮文庫の100冊 2010」で紹介されていた本の一覧。 冊子自体はすでに処分してしまっていて、自分の覚書メモの写しなので誤字や抜けなどのミスがあるかもしれません。
今月の1冊 深夜特急 6 やはり旅文学の傑作 9月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:2043ナイス数:81仕立屋お竜 (文春文庫 お 81-1)の感想必殺仕事人であるが、ちょっと全体に設定がぬるい。人殺しを家業にするまでの課程がなんか納得行かない。いくら才能があるからといって、数年で使い手になるものだろうか。相手になる勝之助も軽くて剣豪という設定も変。女を救うために人殺しする?亭主を殺すの楽しんでいないかい。あさのあつこや今村翔吾の人物像に比べると薄っぺらい感じがして、読んでいて飽きてしまった。読了日:09月26日 著者:岡本 さとる地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団 (講…
自閉症は英語がお好き!? 自閉スペクトラム症のことばと社会とメディアの進化作者:松本 敏治福村出版Amazon今日は休日だった。午前中は予定していた英語研究会のミーティングに参加する。そこにおいて、読み進めていたロアルド・ダール『マチルダは小さな大天才』という小説を原書で少しずつ読み進めていく(実にファンタスティックな、すばらしい作品と読むにつれて感服させられる)。ぼくは以前に自分なりに注意深く辞書を引き引き下調べ・予習をこなしていたものの、いざぼくが自分の読みを披露する段になりどう読み進めたか翻訳を披露し始めると(こんかい、ぼくたちが読んだパートは「帽子と瞬間接着剤」の部分だった)、すぐさま…