1947年、東京に生まれる。ノンフィクションライター。デビュー作は自衛隊に勤めるひとびとを取材した「防人のブルース」。従来の講談的な文体を排したドライな文体が、おもに若い読者の支持を集める。とりわけユーラシア大陸を放浪した旅行記『深夜特急』は、いまでも多くのバックパッカーに影響を与え続けている。さまざまなジャンルの作品を手掛けているが、寄せ集め的なコラム集を除けば、スポーツ関係の著作が目立つ。さらに最近では、小説的な手法を取り入れようとしている。 amazon:沢木耕太郎
今年になってからそこそこ、百名山と言われる山に登ったので、その百名山のもとになった書籍を読んでみることにした。他にも、山ネタの本を2つ読んでみた。
木漏れ日が眩しい さまざまな紀行文、旅行記、旅をテーマにした小説を読んだ。そのうちの原点ともいうべき作品は、イギリス人女性イザベラ・バード(1831—1904)の『日本奥地紀行』(高梨健吉訳・平凡社)だといえる。「それぞれに文化があって、人が対等だってことを、本で伝えたいの」。バードの旅に対する考え方の基本は、この言葉ではないかと思われる。現代は「人が対等」という言葉が軽くなった時代でもある。