ここ一年ほど、両親が残した古家の整理に通っている。 庭掃除なんぞをしていると、 表を通りがかったご近所さん(母の友達や知人)が声をかけてくれる。 そして必ず「お母さんは良い人だったね」と言う。 ご近所だからそう言ってくれるのかもしれないが、 でも全くの”おべんじゃら”ではなさそうなので、 私は何だか複雑な心境になるのである。 「お母さんは良い人だったね」の後にはいろいろな人物評価が付く。 大人しい人だった、 さっぱりした人だった 人懐っこい人だった、などなど。 どれも本当の母なのだと思う。 「表向きの顔と家族に向けた顔は違って当然」と言ったおじいさんがいたが、この人は「大人しかった」と評した人…