彼をカネ儲けに走らせたのは、(貧しい生い立ちのほかに)当時の時代背景もあるでしょう。 周りがソコソコ豊かになっていく「一億総中流」の時代にあって、自分は損しているという想いから、一獲千金を夢見て博打みたいな仕事をする。「楽して稼いで何が悪い」という雰囲気が蔓延していた時代。彼は、そんな時代の先端で生きてきたといえるのかもしれません。 ただ不思議なのは、あれだけの組織的な詐欺を主導しながら、巨悪やカリスマといった雰囲気が彼からは感じられないことです。もしかしたら、彼は祭り上げられただけだったのかもしれません。幹部社員たちは1,000万円もの月給をもらっていたのに対して、彼の生活は質素そのものだっ…