5月も半ばにかかり、東京は初夏に近くなってきました。梅雨入りまで、光あふれ風薫る季節が続きます。気持ちの良い太陽の光の中、風に纏わりつかれて、うたた寝しつつ過ごす午後は幸せを感じます。お供に冷やしたロゼワインがあるとなお良いなぁ。 この季節になると、毎年決まって思い出すのが、「江南春」という漢詩。中国は唐代(晩唐)の詩人、杜牧の作品です。学生時代から、この詩の風景に憧れていました。 千里鶯啼緑映紅 水村山郭酒旗風 南朝四百八十寺 多少楼台煙雨中 意訳をすると、 そこらじゅうで鶯が鳴いていて、赤い花が緑の木々に映えていますよ 水辺の村や山里の村が見えますし、酒場ののぼりが風にはためいています 南…