著者:伊東潤出版社:徳間書店 佐渡、花街、奥深い山で繰り広げられる逃亡劇など3篇の逃亡、追跡が描かれる。 逃亡と言えば吉村昭さんの「長英逃亡」「破獄」などが思い浮かぶ。 客観的に読む逃亡を扱う作品はとても面白いが、 理不尽に逃亡を余儀なくされる人の気持ちたるや如何ばかりか。 特に「放召人討ち」のようなまるでゲームを楽しむかのようなことは 実際にあったのだろうか? 言いがかりのように罪を着せられ、組織的に狩りの対象となってしまうって。 追跡側、逃亡側それぞれ緊張感を保ち続けたまま描かれていて読んでいる側は 楽しめるのだが、何だかなあ。 吉原から姿を消した花魁の足取りを追う「夢でありんす」は 予想…