OILCash S. +0.1pips. 沖津島日記 6.「世の常ならぬ挑みごとを見て思ふこと」 十万の銭をもて挑むとて、はかなき時のうちに千の万にも至れりなど、いとど誇らしげに記したる文、折々目に触るることあり。されど、よくよく見れば、まことの商ひにあらで、うつつならぬ帳面のかげにてこそあらめ。かくなる虚しきかたちに、まどはされたまふなかれと、心にかけて思ひたまふ。 また、そのやうなる書きぶりにて、一人前の相場人めきて物語るさま、いとど憂しと覚ゆ。願はくは、せめて三年ばかり、百の万にも及ぶ利をたゆみなく得てのちにこそ、さるかたちにて語らひたまふべけれ。 そもそも、たとひ一人にて行ふ業とはいへ…