ことしはガブリエル・フォーレの没後100年で、先日11月4日が命日である。 昔から彼の室内楽が好きで、ここ10年ほどは歌曲も好んで聴くようになったが、記念の年にあらためてこのフランスの作曲家の音楽を聴き直している。 ヴァイオリンソナタは2曲あって、若い頃の第1番と、1917年に70代で書かれた第2番とあり、演奏頻度はたぶん100対1ぐらいで前者の方が高いのだけれど、個人的に好きで、くりかえし聴かずにはいられないのは第2番の方。 1917年といえば第一次大戦でフランスはドイツとの戦争の真っ只中にあり、作曲家自身も聴覚障害に悩まされ、落ち着いて作曲もできないような状況だったはずなのに、音楽は凛とし…