「人口減少日本の活路」という副題にあるように、本書は、人口が激減するこれからの我が国の進むべき道、というかあるべき姿を、著者なりの危機感を持って書いた本だ。 不謹慎かもしれないが、僕は本書を近未来SFとして読んだ。著者は人口減少対策総合研究所(人口減少総研)理事長として、いくつもの提言をここで行っている。しかし、これらの提言を、あるレベルで達成しようとする覚悟が、日本人には無いように思える。 まず、著者は「人口減少の真因は」と問いかけるが、これに対する答えは簡単なようで実は難しい。合計特殊出生率が持続的に上昇しない的外れの政策を上げる人は多いだろうが、著者の説明は明快だ。真因は「母親不足」であ…