シスターフッド、という言葉を最近よく聞くようになった。コトバンクには「姉妹。また、姉妹のような間柄」「ウーマン・リブの運動の中でよく使われた言葉で,女性解放という大きな目標に従った女性同士の連帯のこと」という定義が並ぶ。 kotobank.jp 「アレグリアとは仕事はできない」に収められた二編はいずれもシスターフッドの物語である、と言うことができると思う。表題作では同じ会社に働く二人の女性の、そして「地下鉄の叙事詩」では同じ電車に乗り合わせた名も知らぬ二人の通りすがりの女性の間のシスターフッドが描かれている。 「姉妹のような間柄」「女性同士の連帯」と定義されるシスターフッドだが、それはあたりま…