上巻 あとがきにあるように原作である劇場版アニメのストーリーが占める割合は高くはなく、本作オリジナル前日譚とアニメ25話の内容が大部分を占めている。 平和な世界に漂うどこか不穏な空気が素晴らしい。特に最初の『宇宙標準時計』のエピソードが印象深い。ガジェットとしての意外性やいかにも紅莉栖らしい解答であること、そしてP75での岡部の「思い出が必要だった」という理由付けまでグッとくる。しかも本編のラストへの前振りとしての役割も担っている。いいねえ。 アメリカ行きについては就労ビザ関連のリアリティを補強する説明が入っている。アメリカでの流れはほぼ原作の通りだったけど、一点だけ意外だったのは旅行者の女性…