海は大好きだ。磯の香りも好き。でも海には入りたくはない。人間の話だ。子供の頃は海でよく遊んだ記憶がある。その記憶とともに、海の家のゴザを敷いた床のざらざらとした感触も思い起こされる。あれが嫌だった。真水で足を洗っても、また砂が付いてしまう。いつまでもザラザラしている足が気持ち悪かった。次第に海では足を濡らさなくなり、せめてもの乾きを保つようになった。絶対に嫌だ、というほどのものでもないが、どちらかを選べるのなら、サラサラでいたい。 鼻は湿らせておきましょう。 粗野な男に憧れる。小さいことなど気にしない人間と居ると心地よい。自分もそうありたい。頭で思っていながらも、私は些細なことを気にしている。…