■海は地下室に眠る(清水裕貴/角川書店)のこと 閉業した成功舎クリーニング店(千葉県千葉市)閉じたシャッターが能舞台の松のようで格好良い 『海は地下室に眠る』(清水裕貴/角川書店)と出会ったのは、先日千葉市美術館に行った折に、ミュージアムショップであるBATIKA(バチカ)にて著者サイン入り本が販売されていたためである。寡聞にして、著者のことも本書のことも存じ上げなかったが、主人公の松本ひかりが千葉市美術館の学芸員で、おはなしの題材も美術館近くの「蓮池」の地が舞台とのことで興味を持ち、求めて帰って拝読した。大変面白い作品だったので、感想を記す。 海は地下室に眠る 作者:清水 裕貴 KADOKA…