昔の湯たんぽは読んで字のごとく、お湯をいれる金属製の平らな蓋付きの入れ物で、熱湯を入れて寝る前に布団に入れておく。 湯たんぽを使うような寒い冬の日は穏やかな温かみがジンワリと体に広がって幸せに包まれながら眠れる。 幼いころ、母が毎晩お湯を沸かして私のために湯たんぽを用意してくれた。 小判型の小さなブリキの湯たんぽで、うさぎのプリントされたネルのカバーをつけて布団に入れてくれた。 沸騰したお湯を湯たんぽに注ぐときは危ないから離れなさいと言っていたのを思い出す。 何ということもない日常の一片だけれども、子どもながらに親に守られている安心感を感じながら床に着けることが嬉しかった。 朝起きて、まだ少し…