3、不安な気持ち。 季節は立冬を迎え、北からの冷たい風が強くなってきた。村の近くの標高の高い山々はその頂きから少しづつ雪化粧をしちょうど山腹くらいまで山は雪に覆われ白と青空とのコントラストが日に日に美しくなる。夜明けの雪山と青空のコントラストもとても素敵だと思ったが、真珠はどちらかというと夕日に赤く染まった雪山がすきだった。夕日がなくても、だんだんと暗くなる空にうつしださる雪山と空の存在は1分、いやもっと短い数十秒で姿が変わっていく、太陽の光が完全に届かなくなるまでの1時間弱、この不思議な世界が大好きであった。大きな大きな山に比べて自分の存在の小さな感じ、その小さな存在が山と空にいだかれている…