13日の会期終了前に、急いで、丸の内の静嘉堂文庫美術館に出かけてきた。目的の展覧会は、源氏物語の他、漢詩や和歌、日記などの文学作品に焦点を当てた「平安文学、いとをかし」。 展示の目玉は、国宝の俵屋宗達作「源氏物語関屋澪標図屏風」。名前の通り、「澪標」と「関屋」の場面を題材とした六曲一双の屏風で、琳派らしく、金箔がふんだんに使われていて色合いも鮮やかだし、動きのある構図なども見事。ただ、個人的には、どちらの場面も光源氏が牛車の中にいて姿が見えないし、いわゆる貴族の姫君の姿が全くなくて、源氏物語らしい華やかさや艶やかさがあまりなくて物足りない気がしたが、そういうものをあえて描かないことで、緊張感と…