漫画「ザッケン！」

今日は、キュウリグサ。やはり春の花で季節外れ、ご容赦を。 道ばたや畑に群れて咲きます。ひゅっと伸びた茎の先に淡い青の花。茎には種を抱いた萼が等間隔で連なります。歩きながら目にすると、ちょっとナズナのようです。 5裂した花は青、中心部は黄色です。 葉っぱを揉んで匂いを嗅ぐとキュウリのような匂いなので、こんな名が付いたそうな。※漫画「ザッケン！」では匂うのは花になっています。来春どちらも試してみます。 よく似た花をご紹介。ハナイバナ（葉内花）です。花の中心部が白なので、そこで見わけます。 二回りほど大きな花を咲かせるワスレナグサも同じムラサキ科の仲間ですね。「万葉集」にはワスレグサという名が出てき…

今日の「ひとりザッケン（わたし一人が部員の雑草研究部）」のお題は、タンポポ。まったく季節無視のお題です。 漫画「ザッケン！」では部でマルシェに参加、その時の「朝摘みタンポポ」の説明に「こちらは校庭に生えていたセイヨウタンポポとカントウタンポポをひとパックにまとめました」とあります。そうなんだ、この漫画は東京都内の高校が舞台なので、当然「カントウ」タンポポなんだ。大阪には生えておりません。代わりに、これ（▼）、カンサイタンポポです。 横から見る（▼）、 花びらを支えるようにある総苞片（ガクみたいなもの）がキュッとしまっています。セイヨウタンポポだとこれが反り返っています。で、セイヨウタンポポです…

雑草の話が続きます。今回はクズ、漫画「ザッケン！」の第27話です。 言わずと知れたグリーンモンスター、前回のセイタカアワダチソウに取って代わってNO.1の嫌われ者ではないでしょうか。 役に立つのに嫌われる、ちょっと悲しい定めです。役に立つのは根ですね。根は葛粉に変身し、葛きり・葛餅・葛湯として活躍。また葛根として漢方でも大活躍。我が家では欠かしたことがありません。 このクズはマメ科、なので花をよく見る（▼）と、ちゃんとマメの花です。 役に立つのが掘り出すのに苦労する根っこではなくて、マメ科らしく花の後の鞘に入った豆とかで簡単にデンプンが採取できれば、少々蔓延っても許してもらえたかも知れませんね…

パッと見には名前が出てこない、というか、知ってる花と一致しない例の代表かも知れません、これ（▼）は何だろう、というクイズ。 まだ花も咲かない、それも一本だけだとなかなかイメージしにくいこの雑草は、一時期日本で一番嫌われた雑草、セイタカアワダチソウです。普通は、この（▼）イメージですね。ノビタキと一緒に。 さて漫画「ザッケン！」の第24話は文化祭とセイタカアワダチソウ。例によってお茶にしたり、黄色の花をカレーにトッピングしたりで「どうしても雑草を食べるぞ」状態です。 あれほど蔓延ったセイタカアワダチソウもこの頃は目立たなくなっています。「繁殖しすぎて滅びる」ことを避けるために、自ら種子の発芽率を…

漫画「ザッケン！」の第16話はエノコログサ、はい、ネコジャラシですね。いま外を歩けばいくらでも見られます。旬の雑草です。 群れてこそのエノコログサ。うちの近所の公園は頑張って芝生を植えているのですが、初夏はシロツメクサに覆われ、今はエノコログサが席巻しています。生命力の差を感じます。 漫画「ザッケン！」では、パウンドケーキにして食べていました。「イネ科の植物で粟などの仲間だから」と台詞付きで。よく食べる女子高校生たちです。 エノコログサの群れの中には、ちょっと変わった顔つきのものもいます。これ（▼）は、 花のようです。イネ科なので花びらは持ちませんが、花はつける。でないと種が出来ないし。という…

今日の「ひとりザッケン」は、スベリヒユです。滑り莧、茹でるとぬめりが出るので、踏んだら滑りそう、というネーミング。ヒユ（莧）はよくわかりません。センニチコウやケイトウなどが同属だそうです。 花期は夏から初秋ですから、ちょうど今ごろ咲いています。 赤褐色の茎に肉厚の葉っぱ。地面を這うように広がります。 漫画「ザッケン！」では、校庭で採取したスベリヒユをサラダやなめろうにして食べています。それもとてもおいしそうに。 さて、漫画の中に「山形県では〈ひょう〉と言う名で食用に販売されて」いるという記述がありまして、「おっ」と思い出したのが、こちら、作家の小川糸さんのブログ「糸通信」の9月2日の記事です。…

見事に雑草ブログとなっていますが、本人楽しんでおりますのでご容赦を。肩の痛みがとれ猛暑もおさまれば野鳥ブログの顔も出てくるかと思います。 さて、今日は漫画「ザッケン！」の第13話からツユクサです。初夏の代表的な雑草です。 漫画では古来より染料として使われていたことが紹介されています。水に溶けて色が流されるので今ではもっぱら染織の下絵として活躍中、と。 当方は、蕊（しべ）の話。ツユクサには1本の雌しべと6本の雄しべがあります。長さがこれほど違うのは珍しい。写真（▼）で見ると、 青い花びらのすぐ下に短い雄しべが3本。中間の長さの雄しべが1本。そして長い雄しべが2本あり、その2本の間に見えるのが雌し…

残暑が厳しいころですが、話題はいまだ春の雑草。漫画「ザッケン！」の第12話は「ハルジオン＆ヒメジョオン」です。 ハルジオン（春紫苑）とヒメジョオン（姫女苑）。正直、どこがどう違うのか、わかりません。野に咲いていると見分けなんか付きません。諦めています。 たとえば、花期を比べるとハルジオンは春から夏、ヒメジョオンは夏から秋。この写真（▼）は20年の5月撮影です。どっちでしょう。 たとえば、花の色を比べるとハルジオンは淡紅色～白色。ヒメジョオンは白色～淡紫色。これ（▼）は淡い紅、淡い紫、どっちでしょう。 たとえば、舌状花（見た目の花びら）ですが、ハルジオンは150～400、ヒメジョオンは約100。…

漫画「ザッケン！」の第9話は、タネツケバナ。これも（雑草にはよくあることですが）目にはしているけど見てはいない、という花ですね。 花期は春から初夏、田んぼや溝の縁に生えています。ぱっと見はナズナ、だから目にしていてもスルーするんでしょう。 漫画では、なんと「生の花をネイルにする」というネタで登場します。う～む、今どきの女子高生は理解の外だ。折角なので花のアップを。これが爪にのるのですね。 また「生でも食べられる」との記述も。「サラダにオススメ」だそうです。お試しあれ（私は、パス）。 因みにタネツケバナ（種浸花）の名は「種もみを水に浸けて稲作の準備を始める」頃に咲くから、です。雑草は人の生活のそ…

漫画「ザッケン！」の第7話はホトケノザです。春の花ですね。 漫画では主人公の女子高生が薄紫の花をとり、根元から蜜を吸っています。「甘いっ♪」って。ふ～ん、東京の都立高校の部活がモデル、都会の子がそんなことを知ってるんだ。 春の畑でよく間違えるのがヒメオドリコソウ（▼）。アップにすればはっきりと違うのだけど。同じシソ科オドリコソウ属です。 さて名前の由来はご存じのように、葉の形が仏が座る蓮華座に似ているからですね。ですが（これもご存じの通り）春の七草のホトケノザではありません。七草粥に入れるのはコオニタビラコ（小鬼田平子）です（▼）。 地を這うように放射状に広がる葉っぱ（タンポポみたいに）が蓮華…

漫画「ザッケン！」の第6話はカラスノエンドウです。前回のシロツメクサと同じくマメ科です。マメ科の雑草って多いですね。キク科の次くらいによく見る気がします。 さて、カラスノエンドウ（▼）。花は葉っぱの付け根につきます。 漫画ではサヤごと米と一緒に炊くとおいしいと書いてあります。あとは天ぷらにしたりお味噌汁に入れたり、と。試したことに感心しきり、です。 仲間のスズメノエンドウも紹介されていたので、どうぞ（▼）。 とても小さいです、花も葉も。花を比べると、カラスが10～18ミリでスズメは3～4ミリといった具合。カラスより小さいからスズメ。いい加減（？）なネーミングですよね。ついでにいい加減な例を。花…

「ひとりザッケン」のレポート第2弾です。漫画「ザッケン！」の第2話、第3話に合わせてオオイヌノフグリとタチイヌノフグリ。 オオイヌノフグリは春になると「どこででも」と言いたいくらいに目にする雑草です。この青はいかにも春らしい色ですね。（22年4月7日撮影） 物議を醸す日本名オオイヌノフグリ、花ではなく果実の形からの連想なんですね。出来れば「花」から思い浮かぶ名前にして欲しかった。果実の形が犬の・・とか言われても専門家しか見たことないでしょうに。 さてお次はタチイヌノフグリ、その名の通り「立ち」、立っています（▼）。（20年4月8日撮影） 花は半分くらい（８～10mmと3～4mm）しかないので咲…