一昨年の10月に能登地区の「本を読む仲間の集い」で、Tさんと同じ村上春樹読者として知り合いになれたことをぼくは嬉しく思っていた。東京の大学を卒業してUターン就職を門前市図書館にされたことに、何か同志的な感情を持った。図書館で読書会を定期的に開いているとのことだった。村上春樹の小説をほとんど読んでいる者同士というだけで何か通じ合うものがあるということは、もう他人とは思えない関係ができているということじゃないだろうか? Tさんが昨年正月の地震と9月の集中豪雨に合われてどのような被災状況であり、そこで受けたダメージの大きさが今も影響しているのか気掛かりで、先月思い切って電話をしたのだった。図書館員と…