島田潤一郎の『長い読書』読了。 筆者は1976年生まれで、自分と2年しか生まれ年が違わないということもあり、とても親近感を持って読んだ。筆者ほど私は若い頃に読書や執筆にコミットしていたわけではないけれど、内省的な学生生活や聴いていたアルバムのタイトルなどが、いちいち自分の昔を思い出させる。例えば、次のような文章。 レコファンで出会ったCDのことを書こうと思ったら、この本の三分の一はそれらの思い出で埋まるだろう。ぼくはこの店でサニーデイ・サービスの『東京』を買い、ベックの『オディレイ』を買い、フィッシュマンズの『宇宙 日本 世田谷』を買ったのであり、週に二日はこの店へと続く階段を急ぎ足でのぼって…