二で述べてきたように、近代以前の西洋医学は、キリスト教神学を思想の枠組みとしていましたが、近代西洋医学は近代科学を思想の枠組みとしています。一見、そこには大きな断絶があるように見えますが、そこには西洋的な心身観、生命観という文化的伝統が受け継がれています。 しかし今回は、近代科学の柱「心身二元論」、次回は「物心二元論」と近代西洋医学について、石川光男氏の引用を基にお話ししていきます。 2 西洋医学は、近代科学の「思考の枠組み」を基盤としている 続いて石川氏は、医学に「心身二元論(心身分離=心と体が分かれている)」が反映していることについて、次のように述べています。 文化を支える分解思考 私たち…