犬姫様:陣出達朗 1951年(昭26)9月~1952年(昭27)6月、雑誌「小説倶楽部」連載。 1954年(昭29)文芸図書出版社刊。 1958年(昭33)同光社出版刊。『鞭を鳴らす鬼姫』と改題。 犬姫様:陣出達朗、成瀬一富・画 江戸城大奥の中臈夏乃が所有する満月丸という皿には、海賊海の弥太郎が隠した財宝の在り処が記されていた。普段は何も見えず、中秋の名月の光によってのみ文字が浮び出るという。その皿を巡って様々な人物が入り乱れて争奪戦を繰り広げるという伝奇小説。ヒロインの美禰姫は大名家の息女として育てられていたが、実は海賊の娘だったことを知らされ、家を出て、その財宝を取り戻し、父親の罪業を償う…