『白い家の殺人』歌野晶午(講談社文庫) 信濃譲二ものの二作目です。1989年初刊。 資産家猪狩家の別荘で、長女の静香が殺されるという事件が起こります。首を絞められた静香は両足首を縛られて自室の天井のシャンデリアから吊るされていました。扉と窓には鍵が掛けられた密室でした。現当主昇介とその母千鶴は、過去に起きたスキャンダルの経験から警察とマスコミの介入を嫌い、静香の死を病死として処理するよう主治医の田辺に命じます。 そこで家庭教師として別荘に滞在していた市之瀬徹は、『長い家の殺人』事件を解決した友人の信濃譲二に事件解決を依頼することを提案します。 けれど信濃が到着するよりも早く、第二の殺人が起こり…