愛する猫型息子、最期が近づく 猫は、その死の際に人の目から身を隠すと言う。一方で、具合が悪くなって物陰で体を休めているうちに、その生を全うすることになり、結果的にそうなる、とも言う。 本当はどうなのだろう。誰にも邪魔されず、静かに逝きたい気持ちもあるのかもしれない。 息子の場合は、こうだった。点滴を開始してごはんを食べなくなってすぐは、物陰ともいえる「納戸」に入るようになり、用意してあった猫ベッドに横になっていたので、本当は身を隠す方向を望んでいたのかもしれない。 人間と住んでいると、そうもいかない。用が無くても、しばしば私は納戸で身を横たえている息子の傍らに行き、並んで横になって息子を見つめ…