カワヅザクラ 骨董漫遊 【26】石川啄木の日記 その二 絵を評価した理由とは 京都の骨董(こっとう)祭で、初恋の人に似た少女の絵を購入した私は、絵のサインの「T・TAMAKI」なる人物について調べた。「美術年鑑」などから、和歌山市出身の玉置(たまき)照信と推定した。 さて、前回の原稿で紹介した石川啄木の日記に記されている少女の絵は、私が所有する絵だったのか-。 玉置の地元の和歌山県立近代美術館に写真を送り、問い合わせた。玉置の絵を数枚、所有するが、彼に関する調査は進んでいないとのことだった。ただ、「絵柄から可能性は十分にある」との返信をいただいた。 啄木は玉置らの作品について、日記に「色彩の使…