小倉の更新うどんは、いつ行っても安定のおいしさだった。量も多めだったから、多少大食いめの身にはうれしく、小倉を訪れる際には多少遠回りをしても立ち寄るのが常だった。勤務地が山口・下関になったときには、本来なら持ち場を勝手に離れてはいけないのにどうしても味が忘れられず、海峡をこっそり越えてほぼ毎週通ったものだ。 だが、いつしか営業時間が短めになり、休みでもないはずの曜日に休むようになった。店には「店主病気のため」との張り紙が。「大将、からだ壊したのか……」と心配はしていたのだが、とうとう亡くなっておられたのだ。あの味がもう味わえないのかと思うと、呆然としてしまう。 店が休みがちになったころから、ど…